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【判例】商法676条ってなんだ

商法には「保険」という章があり、「生命保険」という節があるんだそうです。
商法自体は学部でも触れ、一部ローの試験範囲にもなりますが、
こういう(学生からすると)マニアックなところは全然勉強したことがありません。

商法676条2項
保険契約者が前項に定めたる権利(注:保険金受取人の指定)
を行わずして死亡したるときは
保険金額を受け取るべき者の相続人を以て
保険金額を受け取るべきものとす
(原文は漢字+カタカナ)

・最判平成21年6月2日

商法676条2項の規定は,
保険契約者と指定受取人とが同時に死亡した場合にも
類推適用されるべきものであるところ,

同項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」とは,
指定受取人の法定相続人又はその順次の法定相続人であって
被保険者の死亡時に現に生存する者をいい
(最高裁平成2年(オ)第1100号同5
年9月7日第三小法廷判決・民集47巻7号4740頁),

ここでいう法定相続人は民法の規定に従って確定されるべきものであって,
指定受取人の死亡の時点で生存していなかった者は
その法定相続人になる余地はない(民法882条)。

したがって,指定受取人と
当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者
とが同時に死亡した場合において,
その者又はその相続人は,
同項にいう「保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人」には当たらないと解すべきである。

そして,指定受取人と
当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者との
死亡の先後が明らかでない場合に,
その者が保険契約者兼被保険者であったとしても,
民法32条の2の規定の適用を排除して,
指定受取人がその者より先に死亡したものとみなすべき理由はない。

そうすると,前記事実関係によれば,民法32条の2の規定により,保険契約者
兼被保険者であるAと指定受取人であるCは同時に死亡したものと推定され,Aは
Cの法定相続人にはならないから,Aの相続人であるEが保険金受取人となること
はなく,本件契約における保険金受取人は,商法676条2項の規定により,Cの
兄である被上告人のみとなる。

・・・・・・・

結局、民法通りってことですね。

by jasmine-moli | 2009-06-03 22:21 |